法要の種類とスケジュールを一覧で解説

法要って、種類がたくさんあって複雑……そう感じている方は少なくないでしょう。

特に40〜50代になると、両親に代わって法要の手配を行うケースも増えてきます。

この記事では、法要の基本的な種類から、それぞれの法要のタイミングや「何をするのか」をわかりやすく解説します。

法要とは|知っておきたい「法事」との違い

まず、多くの人が混同しやすい「法要(ほうよう)」と「法事(ほうじ)」の違いを理解しておきましょう。

  • 法要:故人を供養するための儀式そのものです。僧侶にお経をあげてもらうことで、故人の冥福を祈ります。
  • 法事:法要に加え、お墓参りや、法要後の会食(お斎)までを含めた一連の流れを指します。

つまり、法事は法要よりも広い意味を持つ言葉です。法要は儀式、法事は儀式と会食などをまとめた行事と考えると分かりやすいでしょう。

法要の種類とスケジュール

仏教における法要には、大きく分けて2つの種類があります。

  • 忌日法要:故人が亡くなってから四十九日まで7日ごとと100日目に行う
  • 年忌法要:一周忌以降、所定の年の命日に行う

どちらも、故人の冥福を祈る「追善供養※」の一環として行われますが、ここでは時系列に沿って「忌日法要」と「年忌法要」に分けて解説します。

※ 追善供養:故人の冥福を祈り、遺族が善行を積むことで故人の善い行いを増やす、「追善」のための供養のこと。

忌日法要

忌日法要は、故人が亡くなった日から49日目まで7日ごとと、100日目に行う法要で、下記のタイミングで行われます。

法要の種類亡くなってからの日数
初七日(しょなのか)7日目
二七日(ふたなのか)14日目
三七日(みなのか)21日目
四七日(よなぬか)28日目
五七日(いつなのか)35日目
六七日(むなのか)42日目
七七日(しちしちにち)49日目
百箇日(ひゃっかにち)100日目

読経、焼香、説法を行うのが一般的です。

四十九日の法要のタイミングで、納骨や開眼供養を行うケースもあるようです。

年忌法要

年忌法要は、故人の命日に行う法要で、下記のタイミングで行われます。

法要名亡くなってからの年数
一周忌1年
三回忌2年
七回忌6年
十三回忌12年
十七回忌16年
二十三回忌22年
二十七回忌26年
三十三回忌32年
五十回忌49年

読経、焼香、会食を行うのが一般的です。三回忌までは故人と親交のあった人を招くことが多いですが、七回忌以降は身内だけで行う傾向にあるようです。また、三十三回忌で「弔い上げ」として、以降の法要を行わないことも。

法要全般において簡略化されることが増えており、葬儀の際に四十九日までの法要をまとめて行ったり、一周忌や三周忌までは法要を行い、以降は行わないというケースも少なくないようです。

法要についてのよくある質問

法要を主催する側も、参列する側も、多くの疑問を抱えるのが準備とマナーです。ここでは、よくある質問をQ&A形式で紹介します。

Q. 法要の準備はいつから始めるべき?

A. 日程は参列者の都合を考慮する必要があるため、法要の2〜3カ月前には準備を始めるのがおすすめです。まずはお寺と相談し、法要の日程を決め、招待客への案内や会食、引き出物の手配を進めましょう。

Q. どのような服装で参列すればいい?

A.一周忌までは喪主(主催側)も参列者も喪服(準喪服)が基本で、三回忌以降は、地味な色合いのスーツやワンピースといった「平服」でも問題ないといわれています。

しかし一周忌でも、案内状に「平服でお越しください」と書かれているケースもあり、その際は地味な色のスーツなどで参列できます。

Q. 香典はいくら包めばいい?

A. 法要で包む香典の金額は、主に以下の3つの要素で変わります。

法要の時期:一周忌と三回忌以降では金額が異なります。回を重ねるごとに規模が小さくなるため、香典の額も徐々に少なくなっていくのが一般的です。

会食(お斎)の有無:法要後の会食に参加する場合は、その費用として香典を多めに包むのがマナーです。

故人との関係性:故人との関係が近いほど、香典の額は高くなる傾向にあります。

一般的に目安とされている金額は下記の通りです。

  • 故人が親族(親・兄弟)の場合: 10,000円〜50,000円
  • 故人が親族(祖父母・叔父叔母)の場合: 5,000円〜30,000円
  • 故人が友人・知人の場合: 3,000円〜10,000円

香典の金額に迷った際は、参列する親族間で事前に相談するのが最も安心です。地域や家庭ごとの慣習もあるため、事前に確認するようにしましょう。

Q. 僧侶へのお布施の目安は?

A. お布施は「読経に対する謝礼」ではなく「お寺への寄付」という考え方です。明確な金額は決まっていませんが、法要の規模によって異なります。

一般的に目安とされている金額は下記の通りです。

  • 法要のみ: 30,000円〜50,000円
  • 法要と納骨式: 50,000円〜100,000円
  • 法要と開眼供養: 50,000円〜100,000円

あくまで目安なので、不安な場合はお寺に直接確認するか、親族に相談してみましょう。

まとめ

法要は故人を偲び、遺族が気持ちを整理するための大切な時間です。

初七日から三十三回忌まで、法要の回数は多く感じられるかもしれません。しかし、最近は葬儀とあわせて行ったり、特定の年忌法要で弔い上げ(法要を切り上げること)にしたりと、それぞれの家庭に合わせて簡略化されることが多くなっています。

もし、自分が亡くなってからの法要の回数や呼んでほしい人などに希望があれば、エンディングノートなどに記しておくと良いでしょう。

法要は故人の冥福を祈る「追善供養」の一つですが、形式にこだわることだけが供養ではありません。毎日仏壇に手を合わせたり、お墓参りをしたりすることも、大切な追善供養です。

法要だけにこだわらず、故人を思う気持ちを大切にしていきましょう。