数ある終活資格のなかから今回は「終活カウンセラー」について紹介します。
終活カウンセラーの役割と仕事内容
終活カウンセラーは、一般社団法人終活カウンセラー協会が認定する民間資格です。人生の最期に向けた準備、いわゆる「終活」に関する幅広い知識を身につけ、悩みを抱える相談者のサポートを専門とします。
終活カウンセラーは、相続、葬儀、医療、介護などの分野について網羅的に学び、相談者の不安を解消し、前向きに終活を進める手助けをします。
また、終活カウンセラー資格には3段階あり、「認定終活講師」資格を習得すると、セミナーなどの開催が可能となり、より広範囲での活動ができるようになります。
終活カウンセラーの主な活動内容
- エンディングノートの作成支援
- 終活に関する相談対応
- 家族間のコミュニケーション促進
- (認定講師資格取得後)終活セミナーの開催
終活カウンセラーの資格取得方法
終活カウンセラーの資格は、一般社団法人終活カウンセラー協会が主催する「終活カウンセラー」講座を受講し、受講後の試験に合格することで取得できます。
この検定には、終活に関する知識を段階的に深められるよう、2級、1級、認定終活講師の3つのレベルが設けられています。
2級終活カウンセラー
2級は終活カウンセラーの入門レベルで、主に「自分の終活準備」に必要な知識を身につけます。初心者でも無理なく学べるよう設計されており、エンディングノートの作成方法や家族・友人への基本的なアドバイス能力を習得できます。
2級の特徴
- 学習目的:自分の終活とエンディングノート作成
- 難易度:初心者向け(事前知識不要)
- 学習時間:約6時間の講習または自宅学習
- 試験形式:筆記試験
- 受講費用:初期費用として16,000円(受講料11,000円+初年度年会費5,000円)※合格して1年後以降、毎年5,000円の資格の更新料が発生します。
2級の受講方法
2級は下記の3つから受講方法を選ぶことができます。いずれの場合も、申し込み手続きが完了するとテキストが送付されるため、講義受講前に読み、学習します。
①会場受講 協会が指定する会場で約6時間の講習を受け、その後筆記試験を実施します。講師から直接指導を受けられるのがメリットです。
②オンライン受講(Zoom中継) 会場からのZoom中継で講義を受講し、その後オンラインで検定試験を受けます。移動時間を節約でき、全国どこからでも参加可能です。
③完全自宅受講 送付されたテキストを読んでから、動画学習(30分以内の動画7本を視聴)を行います。その後、試験実施:自宅でテストを受験し、解答用紙を郵送で提出。約1か月で合否通知が届きます。
1級終活カウンセラー
1級は、2級で身につけた基礎知識をもとに、実際に相談者に寄り添える技術とコミュニケーション能力を習得します。
1級の特徴
- 学習目的:他者の終活サポート
- 前提条件:2級資格取得+協会勉強会への年1回以上の参加
- 学習内容:グリーフケア、コンプライアンス、コミュニケーション技術など
- 試験形式:事前審査(レポート)+本試験
- 受講費用:対面受講:45,000円(講習・試験・弁当代込み)またはオンライン受講:50,000円 + 事前審査費:3,000円(別途)
1級試験受験までのステップ
1級取得には段階的なアプローチが必要です。
- 2級資格の取得:まず2級に合格する
- 勉強会参加:協会主催の勉強会に年1回以上参加
- 事前審査:課題レポートを提出(審査費3,000円)
- 審査合格:事前審査に合格すると本試験の受験資格を取得
- 本試験受験:1日目はweb開催で2日間の講習と試験
2級では「自分の終活」に焦点が当たっていたのに対し、1級では他者へのサポートを行えるレベルまで引き上げます。
認定終活講師
認定終活講師は、終活セミナーの開催や指導者として活動したい方向けの資格です。
認定講師の特徴
- 学習目的:講師・指導者としての技術習得
- 学習内容:終活についての正しい理解、教える力、プレゼン技術など
- 受講期間:6日間の集中講習(1日6〜7時間)
- 受 講 料:300,000円(税別)
受講条件
認定講師になるには、以下3つの条件をすべて満たす必要があります:
- 終活カウンセラー勉強会に年2回以上参加
- 「エンディングノートの書き方セミナー講師養成講座」の受講
- 1級終活カウンセラー資格の取得
終活セミナーなどの開催に資格は必須ではありませんが、取得していることで受講生の信頼を得られ、集客にも役立つことが考えられます。
まとめ
終活カウンセラー資格は、段階的なステップアップが可能で、着実にスキルを積み上げていくことができます。人生の最終章を豊かに過ごすためのサポーターとして、終活カウンセラー資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。