終活を始めたいと思っても、「何から手をつけていいかわからない」「どこに相談すればいいの?」と悩む方は多いのではないでしょうか。
終活には相続、介護、葬儀、身元保証など幅広い分野が関わるため、適切な相談先を選ぶことが重要です。間違った相談先を選んでしまうと、専門外の内容で十分なアドバイスを受けられなかったり、余計な費用がかかってしまったりする可能性があります。
この記事では、終活の悩み別に最適な相談先を紹介します。
総合的に相談したい場合
「終活について何から始めていいかわからない」「幅広く相談したい」という方は、まず総合的な相談窓口を利用することをおすすめします。
終活サポート業者
終活全般について包括的なサポートを提供する民間業者です。相続、介護、葬儀、生前整理など、終活に関わる様々な分野について、ワンストップで相談できるのが最大のメリットです。
具体的なサポートとなると有料となるケースがほとんどですが、初回相談は無料となっているところもあるため、複数社に相談してみて選択しても良いかもしれません。
また、業者によってサービス品質にばらつきがある可能性もあるため、利用前に口コミなどをチェックしてみると良いでしょう。
終活サポート業者を利用するメリット
- 終活全般の専門知識が豊富
- 複数の分野をまとめて相談できる
- 具体的な手続きまでサポートしてもらえる
- 入院・施設入所時の身元保証サービスも提供しているケースがある
- 土日祝日も対応している場合が多い
地域包括支援センター
各市区町村が設置している公的機関で、高齢者の生活全般について相談できる身近な窓口です。65歳以上の高齢者とその家族が利用できます。
相談内容例
- 介護保険サービスについて
- 認知症に関する相談
- 高齢者向け住宅の情報
- 成年後見制度について など
連絡先の調べ方
- 自治体のホームページで検索
- 市区町村役場などへの電話問い合わせ
- 「地域包括支援センター 〇〇市(地域名)」でインターネット検索
地域包括支援センターは、地域によっては社会福祉法人や社会福祉協議会が委託を受けて運営しているケースもあります。
社会福祉協議会
各市区町村に設置されている社会福祉法人で、年齢に関係なく地域住民の生活全般の相談を受け付けています。終活だけでなく福祉全般の専門知識を持ったスタッフが、経済的な悩みや福祉サービスについてなど、さまざまな相談に対応可能です。
相談内容例
- 病気や介護に関する相談
- 福祉サービスの利用方法
- 地域の福祉情報 など
連絡先の調べ方
- 市区町村のホームページで検索
- 市区町村役場の福祉課に問い合わせ
- 「社会福祉協議会 〇〇市(地域名)」でインターネット検索
分野の専門家に相談したい場合
特定の分野について詳しく相談したい場合は、その分野の専門家に直接相談することをおすすめします。
ただし、すべての税理士や弁護士が相続や遺言に詳しいわけではないため、事前にホームページなどで取り扱いジャンルを確認しましょう。相談内容によっては、相談に行った先で別の士業を紹介される可能性もあります。
相続税・財産評価に関する相談|税理士
相続税対策や財産評価について専門的なアドバイスが必要な場合は、税理士への相談が最適です。
相談内容例
- 相続税の計算と節税対策
- 財産評価(不動産等)
- 生前贈与の活用方法 など
こんな方におすすめ
- 相続税がかかりそうな資産をお持ちの方
- 節税対策を具体的に知りたい方
- 事業を経営されている方
税理士の探し方
- 税理士会の無料相談会を利用
- 知人・取引先からの紹介
- インターネットで「相続税 税理士 〇〇市」で検索
オンラインでの相談でも良い場合は、地域名なしで検索してみても良いかもしれません。
遺言や後見制度に関する相談|弁護士
法的な観点から終活をサポートしてほしい場合は、弁護士への相談が適しています。
相談内容例
- 遺言書の作成と法的チェック
- 相続トラブルの予防と解決方法
- 成年後見制度の利用について など
こんな方におすすめ
- 相続トラブルを予防したい方
- 法的に効力のある遺言書を作成したい方 など
弁護士の探し方
- 「弁護士会 〇〇県」で検索し、弁護士紹介を依頼
- 法テラス(日本司法支援センター)での相談
- インターネットで「相続 弁護士 〇〇市」で検索
相続手続きや登記に関する相談|司法書士
不動産の相続手続きや各種登記について相談したい場合は、司法書士が専門です。
相談内容例
- 不動産の相続登記
- 相続手続きのサポート
- 遺言書作成の支援
- 成年後見の申立て手続き など
こんな方におすすめ
- 不動産をお持ちの方
- 相続手続きの代行を依頼したい方
- 費用を抑えて遺言書を作成したい方 など
葬儀・供養に関する相談|葬儀社や寺院・霊園
葬儀の準備や供養について具体的に相談したい場合は、葬儀社や寺院・霊園への事前相談がおすすめです。
相談内容例
- 葬儀の形式と費用
- 互助会への加入
- 生前契約について
- 供養方法の選択
- 葬儀場や墓地・霊園の見学 など
葬儀社選びでは、複数社への相談をおすすめします。
各社のプラン内容や料金を比較することで、希望に沿った最適な葬儀社を見つけることができるためです。
相談先の選び方のポイント
相談先を選ぶ際は、以下のポイントをチェックして信頼できるかどうかを判断しましょう。
口コミ・評判の確認
知人や友人に利用者がいる場合は、その評判を聞いてみましょう。
もし身近にいない場合は、インターネットを活用し、Googleの口コミやレビューサイトをチェックしてみましょう。
その際、極端に良い評価や悪い評価だけでなく、中立的な意見も参考にするようにしましょう。また、いずれの評判や口コミも、あくまでも「いち利用者の意見」です。
ホームページの確認
ホームページでサービス内容や料金体系を確認しましょう。
また、これまでの相談件数や実績が公開されている場合は、件数だけではなく内容もよくチェックし、自分が相談したい内容の経験があるか確認しましょう。
士業の場合は、登録番号や所属している会などが明記されているかも重要です。
ただし、会社やサービスによってはホームページを持っていなかったり、事務所の住所や営業時間等しか掲載していない場合もあります。
気になる事務所がホームページを持っていない場合、まず電話で初回相談の可否や料金について確認してみましょう。その際、終活に関する相談経験があるかや、どのような流れで進めるかを質問することで、自分に合った専門家かどうか判断できます
初回相談時のチェックポイント
終活の相談は、初めて相談したところに必ず相談し続けなければならないわけではありません。
また、有料の終活サポートや税理士・行政書士などでは、初回相談を無料としているケースが多いです。
実際に相談してみて、以下の点を確認し、自分で「相談しやすい」と感じられる相談先を見つけると良いでしょう。
1.説明が分かりやすいか
- 専門用語を使いすぎず、分かりやすく説明してくれる
- 質問に対して具体的に答えてくれる
- 図表やパンフレットを使った丁寧な説明
- 相談者の理解度を確認しながら進めてくれる
2.質問に丁寧に答えてくれるか
- どんな小さな質問にも真摯に対応
- 分からないことは「分からない」と正直に伝える
- 後日調べて回答してくれる姿勢
- 相談者の立場に立って考えてくれる
3.無理に契約を迫らないか
初回の相談に行った際、下記のような態度を取る事業者については要注意です。
注意が必要な相談先の特徴
- その場での契約を強要する、または契約を急かす
- 「今日だけの特別価格」などの営業トークが続く
- 他の選択肢を否定する
- 断ろうとすると態度が変わる
- 料金の説明が曖昧
- 口約束で進めようとする
- 見積もりを出したがらない
一方で、下記のような対応をしてくれる相談先は、安心して相談を続けられるでしょう。
良い相談先の特徴
- 相談者のペースに合わせてくれる
- 検討時間をしっかり与えてくれる
- 他の選択肢も提示してくれる
- 契約しなくても丁寧に対応してくれる
- 見積もりを詳細に提示してくれる
- 契約内容を書面で確認できる
4.料金体系が明確か
明確な料金の提示がなかったり、「内容による」などと明示を避けられる場合は注意が必要です。
下記の4点が該当するケースが、安心して利用できるでしょう。
- サービス内容と料金が明確になっている
- 追加料金が発生する条件について説明がある
- 支払い方法や時期の説明がある
- 解約条件についての説明がある
まとめ
終活の相談は、あなたの悩みや状況に合わせて適切な相談先を選ぶことが重要です。
何から始めていいかわからない場合は、総合的な相談窓口を利用することをおすすめします。65歳以上の方は地域包括支援センター、年齢を問わず利用したい方は社会福祉協議会での相談が無料で受けられます。民間のより手厚いサポートを希望される場合は、終活サポート業者の初回無料相談を活用してみましょう。
一方、相続税対策や法的な問題など、具体的な悩みがすでに明確になっている場合は、その分野の専門家に直接相談する方が効率的です。税理士、弁護士、司法書士はそれぞれ異なる専門分野を持っているため、あなたの悩みに最も適した専門家を選びましょう。
終活について迷った際は一人で悩まず、まずは気軽に相談してみることから始めてみてください。初回相談は無料で受けられる相談先も多いため、複数の窓口で話を聞いてみることをおすすめします。