生きているうちに棺桶に入る?入棺体験とは

「生きているうちに棺桶に入るなんて縁起でもない」

ひと昔前なら、その考え方がスタンダードだったのでしょう。

しかし最近は、終活を行っている人を中心に、体験のひとつとして棺に入ってみる「入棺体験」が注目されています。

この記事では、入棺体験の内容や魅力・メリットをわかりやすく紹介します。

「入棺体験」とは?その魅力と目的

入棺体験とは、その名の通り、実際に棺に入る体験のことです。葬儀社や終活イベントなどで実施され、非日常的な空間で自分の人生と向き合う貴重な時間となります。

体験の内容は主催者によってさまざま。葬儀や供養についてのセミナーを聞いたり、自分の人生を振り返るワークショップを行ったりすることもあります。

なかには自分宛の弔辞を書くワークショップも。書き上げた弔辞は、自分が棺桶に入っている間に読んでもらい、自分は棺桶のなかでその弔辞を聞く、という体験ができます。

入棺体験の主な目的は、人生の終わりを意識することで、今をより良く生きるヒントを見つけること。死を遠いものとして捉えるのではなく、現実として受け入れることで、漠然とした不安を和らげたり、感謝の気持ちや心残りなどを整理したりする機会になります。

【おすすめしたい理由】入棺体験3つのメリット

入棺体験に年齢などの制限が設けられていることはありません。そのため、どの世代の人にもおすすめなのですが、個人的には私と同世代の40代女性に強くおすすめしたいと思っています。

人生の後半戦に差し掛かる時期だからこそ得られる、3つのメリットを紹介します。

メリット1:人生の「残り時間」を意識して、本当にやりたいことを見つける

40代は子育てが一段落したり、仕事での立場が変わったりと、人生の転機を迎えることも多いです。

だからこそ、日常とかけ離れた体験は、この先の時間をどう過ごすか、「本当にやりたかったことって何だろう?」と自問自答する良いきっかけになるでしょう。

メリット2:親の終活や葬儀について考え、家族との向き合い方を考える

40代を過ぎると、親の老後について気になる人も多いことでしょう。

そんななか、自分自身が葬儀に関する体験をすることで、親の気持ちを想像しやすくなるかもしれません。

また、終活は親子の間で話しにくいテーマですが、入棺体験をきっかけに家族で終活について話し合うきっかけにもなるでしょう。

メリット3:死への漠然とした不安を解消し、前向きな気持ちになる

「死」をタブーとせず、リアルに体験することで、漠然とした不安が軽くなったという人も少なくありません。

体験後は、生きていることへの感謝や幸福感が増したという人や、「生まれ変わったような気持ちになれた」という人もいるようです。

入棺体験はどこで探せる?

入棺体験は主に、終活関連のイベントなどで開催されています。

インターネットで「入棺体験  〇〇(お住まいの地域)」と検索すると、近くで開催されているイベントや施設を見つけることができるでしょう。

入棺体験についてのよくある質問

Q. どんな人が参加していますか?

A. 終活に関心がある方、自分と向き合うきっかけを探している方など、年齢や立場を問わず幅広い方が参加しています。

Q. 宗教や宗派に関係なく参加できますか?

A. 入棺体験は仏教的な儀式ではありません。宗教や宗派に関係なく、どなたでも体験できます。

入棺体験は「人生を豊かにする」経験のひとつ

入棺体験は、怖いものではなく、自分らしい人生を送るためのポジティブな行動です。これは終活全体を通して言えることですが、死について考えることは、「今」をより良く生きるための準備でもあります。

人生の「終わり」について考えることは、「これから」をどう生きるかを考えることにつながります。そのきっかけのひとつになるかもしれません。