【おすすめ終活本】おひとりさまの後始末|誰に頼る?の不安が解消できる本

自分が亡くなってからのことを頼める人がいない、もしくは、多少は頼めるけれどあまり負担はかけたくない、と考えている方は多いのではないでしょうか。

「もし自分に介護が必要になったら、誰に頼めばいいんだろう?」

「私が亡くなった後の手続きや片付けは、誰にも負担をかけない方法はあるのかな?」

こんな疑問が頭をよぎったことのある❝おひとりさま❞は少なくないでしょう。私もそうです。

そんなおひとりさまの終活についての不安をまとめて解消するヒントをくれるのが、今回紹介する『おひとりさまの後始末』です。終活をどこから手をつけていいか迷っている人にこそ、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

誰にも迷惑をかけない❝後始末❞は可能なの?

▼ご紹介する本はこちら▼

書名:おひとりさまの後始末

著者名:なとみ みわ

出版社:株式会社 小学館

発売年:2024年4月8日

おひとりさま目線で「老いと死」をリアルに考える

本書は、姑さんの看取りや息子さんの独立、ご自身の離婚を経て「おひとりさま」として暮らす著者、なとみみわさんが、老いや死をリアルに考え始めるところからスタートします。

「終活」と聞くと、つい「死後のこと」ばかりを考えがちですが、本書は「生前」の備えから「死後」の手続きまで、幅広く解説しています。

終活初心者目線で「終活って一体、何をすればいい?」という疑問を深掘りしていくため、読者も自分事として読み進めることができます。

本書は、マンガと解説文の二部構成となっており、「生前」と「死後」に必要となる手続きや備えを、わかりやすく解説しています。

  • 生前の備え 例:
    病気やけが、介護、認知症になった場合の準備など、生きている間に誰かに託す、または自分で決めておくべき事柄をまとめています。もしもの時に備える「医療・介護」に関する準備や、認知症になった場合の財産管理などが含まれます。
  • 死後の手続き 例:
    葬儀の手配、行政への届け出、相続の基本的な流れなど、残された人(あるいは代行者)が行うべき項目を簡潔に示しています。後片付けや遺品整理の疑問にも触れられています。

何の準備が必要か、全体像がわかりやすい

おひとりさまの終活は、死後の手続きだけでなく、介護や入院など「生前」の準備も重要です。本書は、終活の全体像を俯瞰し、「やるべきこと」と「頼れるサービス」を明確にしてくれます。

ここからは、私が実際に読んで特に役立ったと感じた、本書の魅力的なポイントを3つご紹介します。

①文章が苦手でも全体像がつかめる

本書は、マンガと解説文の2パートで成り立っています。マンガ部分だけでも必要なことの全体像がざっくり把握できる構成になっているため、文章をじっくり読むのは苦手だけど終活の全体像について知っておきたい、という人も手軽に読み始められるでしょう。

② 実用性の高い「簡易エンディングノート」付き

最低限の情報を書き残せる「簡易エンディングノート」のページが収録されており、コピーしてすぐに活用できます。まずはこの簡易版を書いてみて、「これじゃ情報が不十分だ」と感じた場合は、本格的なエンディングノート作成への良いきっかけになるでしょう。

③ 「おひとりさまの疑問」にピンポイントで回答

本書では、おひとりさまに特に多い状況についての疑問についても、解決案を提示してくれています。

【本書が答える「おひとりさまの疑問」例】

  • 法定相続人ではない人(パートナーや内縁関係の妻・夫、お世話になった友人など)にも遺産を渡す方法
  • ペットの遺骨と一緒に埋葬してもらうには?
  • 結婚していない場合の死後手続きはどうなる? など

また、終活に関するサービスを提供している会社や自治体も紹介されており、とても参考になりました。

こんな人にはぜひおすすめ!

『おひとりさまの後始末』は、下記のような人に特におすすめしたい本です。

  • 自分の介護や死後手続きを委ねる相手がいない人(または身内に頼りたくない人)。
  • 終活について誰に何を相談したらいいかわからない人。
  • 漠然と「終活しなきゃ」と思いつつ、どこから手をつけたら良いのかわからない終活初心者。
  • 配偶者や子どもがいても、自分のことは自分で決めておきたいと考える自立心の高い方。

ちょっとでも思い当たる項目があったら、ぜひ一度読んでみてください。

こんな人には不要かも……

もし、介護が必要になったり、亡くなったりしたあとに必要なことをすべて引き受けてくれる人が決まっている場合は、この本は不要かもしれません。

しかし、そういう人がいる場合でも、具体的にどのようなことを任せることになるのかを知るために、本書で全体像を把握しておくのはおすすめです。

任せる側が「何を任せたいか」を具体的に知っておけば、依頼する側とされる側の双方の不安が軽減されます。知っておいて損ということは決してないでしょう。

まずは「ざっくり」全体像を掴みたいときにおすすめの1冊

『おひとりさまの後始末』は、自分が亡くなってからのことだけでなく、介護が必要な状態から亡くなるまでの間についても、どんな備えが必要になるかをわかりやすく解説してくれる本です。

マンガでテンポよく解説されているので、まずは終活の全体像をざっくり知りたい人は、ぜひ一読してみてほしいです。

「おひとりさま」の終活は、まわりに「迷惑をかけない」ことがゴールとしている人が多い印象です。しかし、「迷惑をかけない」ことが大事なのではなく、「自分らしい最期」を迎えるための今を過ごすことが大事なのではないでしょうか。そのためには、ほどよく周りに頼ったり行政のサポートを活用したりしながらために、今から準備することが大切です。

本書を読んで、不安を解消し、前向きに終活をスタートさせましょう!

おひとりさまの後始末